はじめに
普段はあまりないかも知れませんが、HW構成などに関する詳細な情報を確認しなければならないことがあります。
例えば、サーバで物理的な故障が発生したとき、メーカー製のサーバであればサポートへ問い合わせて保守対応をしていただくことになりますが、問い合わせを行ったとき、故障した箇所や内容によってそのHWに関する情報を求めらることがあります。
HWシリアル番号、BIOSのバージョン情報、搭載されているメモリモジュールのメモリサイズ・数…等です。
そういった情報が分からないときにわざわざ電源を落としてBIOSの画面等から調べる…といったことはなかなか出来ないことが多いですが、Linux系OSであれば、そういった情報を知りたいときにdmidecodeというコマンドを利用できます。
RHEL系5系,6系であればdmidecodeパッケージをインストールする必要があります。
※CentOS6.4 x86_64の例
% rpm -qf /usr/sbin/dmidecode dmidecode-2.11-2.el6.x86_64
以下はdmidecodeコマンドについてのメモです。
dmidecodeコマンド
dmidecodeはハードウェア情報をDMI(SMBIOS)に格納されている内容を解析して人間に読めるようなフォーマットとして報告します。
SMBIOS(System Management BIOS)とは簡単に言うとハードウェアの情報をBIOSに格納するための規格です。
オプションなしでコマンドを実行すると、取得可能な全ての情報が表示されます。
-qオプションで不明な情報や無効な情報、メーカー固有の情報を省いたり、-s オプションでキーワード文字を指定したり、-t でタイプを指定してできます。
※詳しくはmanを参照してください。
-sオプションで指定可能なキーワード
# dmidecode -s dmidecode: option requires an argument -- 's' Valid string keywords are: bios-vendor bios-version bios-release-date system-manufacturer system-product-name system-version system-serial-number system-uuid baseboard-manufacturer baseboard-product-name baseboard-version baseboard-serial-number baseboard-asset-tag chassis-manufacturer chassis-type chassis-version chassis-serial-number chassis-asset-tag processor-family processor-manufacturer processor-version processor-frequency
-tオプションで指定可能なタイプ
# dmidecode -t dmidecode: option requires an argument -- 't' Type number or keyword expected Valid type keywords are: bios system baseboard chassis processor memory cache connector slot
動作確認
環境
実行環境は以下です。
プラットフォーム | さくらのVPS SSD 1Gモデル |
OS | CentOS 6.4 x86_64 (64bit) |
実行
dmidecodeコマンドを実行していくつか情報を取得してみます。
BIOSの情報一覧を取得してみます。KVMゲストから実行したものですが、実際のBIOSから取得できた情報なのか分かりません...
# dmidecode -t bios # dmidecode 2.11 SMBIOS 2.4 present. Handle 0x0000, DMI type 0, 24 bytes BIOS Information Vendor: Seabios Version: 0.5.1 Release Date: 01/01/2007 Address: 0xE8000 Runtime Size: 96 kB ROM Size: 64 kB Characteristics: BIOS characteristics not supported Targeted content distribution is supported BIOS Revision: 1.0
サーバのモデル名を取得してみます。KVM環境だと以下のような情報が取得できました。
# dmidecode -s system-product-name KVM
HWのシリアルナンバーを取得してみます。KVMの環境だと取得できないようです。
# dmidecode -s system-serial-number Not Specified
おわりに
HWに関する情報を取得するdmidecodeコマンドについて簡単に記載しました。
システムを停止したり、メーカーの管理ツールを使ったり、構成情報の資料を見たりしないと確認できないと思っていた情報でもコマンドで簡単に確認できるものもあります。
上記ではKVM環境で実行してみました結果ですが、物理マシン上で実行すると、システム製造元、モデル名、シリアル番号、BIOS バージョンやメーカー固有の情報(DELL製HWだとサービスタグ等)やメモリスロットに何GBのメモリモジュールが挿さっているかといった情報まで、細かい情報が確認できます。
管理がされていない詳細不明なHWでも情報を整理していけるかもしれません。
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